COLUMNコラム

小規模宅地等の特例とは?わかりやすく解説

2025.06.10

小規模宅地等の特例とは?

小規模宅地等の特例とは、相続税の課税対象となる宅地について、一定の要件を満たす場合に土地の評価額を大幅に減額できる制度です。主に居住用や事業用に使われていた宅地が対象で、相続人の生活や事業の継続を支援する目的で設けられています。

例えば、亡くなった方と同居していた配偶者がその土地を相続する場合、一定の面積まで土地の評価額を最大80%も減額できます。これにより、相続税の負担を大きく軽減することが可能です。

対象となる宅地の種類と適用要件

小規模宅地等の特例には、主に以下の3つの用途区分があります。

1. 特定居住用宅地等(被相続人が住んでいた宅地)

  • 被相続人と同居していた親族が相続する場合、または配偶者が取得する場合に適用
  • 最大330㎡までの部分について、評価額を80%減額

2. 特定事業用宅地等(被相続人が事業に使用していた宅地)

  • 被相続人が事業を営んでいた土地を、相続人が事業を継続する場合に適用
  • 最大400㎡までの部分について、評価額を80%減額

3. 貸付事業用宅地等(賃貸アパートや駐車場など)

  • 相続開始前3年以上、賃貸事業に使われていた土地
  • 最大200㎡までの部分について、評価額を50%減額

※同一敷地に複数の用途がある場合、それぞれの区分に応じて按分して適用することも可能です。

注意すべき要件と落とし穴

  • 相続税の申告が必要:小規模宅地等の特例を適用するには、相続税の申告書に特例適用の記載が必要です。
  • 事前の贈与や建物の登記に注意:生前贈与された宅地や、登記がされていない建物があると、適用されない場合があります。
  • 共有名義や持ち分の扱い:複数の相続人が共有する場合、持ち分に応じた適用になります。

山城会計事務所ができること

  • 特例の適用可否を事前に無料診断
  • 居住・事業・賃貸の組み合わせに応じた適用支援
  • 相続税申告書作成から、特例適用に必要な添付資料までワンストップ対応

よくある質問(FAQ)

Q1. 小規模宅地等の特例は誰でも使えるの?
→ 一定の要件を満たせば利用できますが、親族関係や居住・事業の状況により可否が分かれます。

Q2. 特例が使える土地の広さに制限はある?
→ 用途に応じて上限面積が決まっています(居住用330㎡など)。

Q3. 生前に土地を贈与したら特例は使えない?
→ 贈与された土地は原則対象外となります。

監修者紹介

山城 賢佑(やましろ けんすけ)
補助税理士|東海税理士会 東支部 登録番号:140461
クラウド会計・IT活用を通じて中小企業の業績向上を支援。相続・事業承継・税務コンサルティングに強みを持ち、上場コンサル会社での現場経験を活かし“頼れる参謀役”として経営全体を支援。

参考文献・出典一覧