COLUMNコラム

相続登記の義務化と手続きのポイント:浜松市で不動産を相続した方が知るべきこと

2025.12.02

静岡県浜松市にお住まいの皆様、または浜松市にゆかりのある方で、不動産の相続についてお悩みではありませんか?

不動産を相続した際の「相続登記(名義変更)」は、これまで任意でしたが、法改正により2024年(令和6年)4月1日から義務化されました。この義務化により、手続きを放置すると10万円以下の過料が科される可能性があるため、浜松市内で不動産を相続した方は、早急な対応が求められます。

このコラムでは、相続登記の義務化の概要と期限、手続きのポイント、そして相続税との関係について、専門家の視点から詳しく解説していきます。

1. 相続登記義務化の概要と期限

相続登記の義務化は、「所有者不明土地」の増加を防ぎ、不動産の円滑な利用を図るために施行されました。

義務化の開始時期と期限

項目内容期限罰則
施行開始日2024年(令和6年)4月1日
新たな相続不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内10万円以下の過料
遺産分割成立遺産分割が成立した日から3年以内10万円以下の過料
過去の相続施行日(2024年4月1日)より前に発生した相続2027年3月31日まで10万円以下の過料

義務化の最大のポイント

  1. 3年以内の申請が必須: 不動産を取得したことを知ってから3年以内に、法務局に登記申請をしなければなりません。
  2. 過去の相続にも遡及適用: 2024年4月1日以前に発生した相続で、まだ登記をしていない不動産も義務化の対象です。この場合、2027年3月31日が申請期限となります。
  3. 罰則規定の導入: 正当な理由なく期限内に登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

2. 登記義務を果たすための手続きのポイント

相続登記の手続きは、遺言書の有無や遺産分割協議の状況によって異なりますが、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

ポイント① まずは「相続人申告登記」で期限をクリアする

遺産分割協議がまとまらず、3年以内に正式な相続登記が難しい場合のために、「相続人申告登記」という簡略化された制度が新設されました(2024年4月1日開始)。

  • 制度の概要: 相続人の一人が、「自分が相続人であること」を法務局に申し出ることで、登記義務を履行したと見なされます。
  • メリット: 遺産分割協議が長引く場合でも、ひとまず罰則を回避できます。正式な相続登記に必要な戸籍謄本などの書類も最小限で済みます。
  • 注意点: これは暫定的な措置であり、遺産分割が成立した日から改めて3年以内に、誰が取得したかを確定させる正式な相続登記(遺産分割に基づく登記)を行う必要があります。

ポイント② 相続人の調査(戸籍収集)を正確に行う

相続登記(特に遺産分割協議に基づく場合)には、亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本が必要です。

  • 広域交付制度の活用: 2024年3月1日から、戸籍の広域交付制度が開始され、本籍地が遠方であっても、最寄りの市区町村役場で必要な戸籍謄本等をまとめて請求できるようになりました(※一部例外あり)。これにより、戸籍収集の負担は軽減されました。
  • 専門家への依頼: 相続人が多い、または戸籍が複雑な場合、司法書士に依頼することで、必要な戸籍の収集から正確な相続関係図の作成までを代行してもらえます。

ポイント③ 遺産分割協議書には全員の同意が必要

法定相続分とは異なる割合で不動産を承継する場合(例:長男が自宅をすべて取得する場合)、相続人全員の合意に基づいた遺産分割協議書が必要です。

  • 協議書には、相続人全員の実印での押印と、印鑑証明書の添付が求められます。
  • 遺産分割が完了したら、その日から3年以内に登記申請が必要です。

3. 相続登記の放置は相続税にも影響する?

相続登記の手続きそのものは司法書士の専門分野ですが、登記を放置することで、将来の相続税対策にも影響を及ぼす可能性があります。

遺産分割の遅れは節税特例の適用を妨げる

相続税には、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」といった大きな節税特例がありますが、これらの特例を適用するためには、原則として相続税の申告期限(相続発生から10ヶ月以内)までに遺産分割が確定している必要があります。

  • 相続登記を放置しているということは、遺産分割が確定していない状態が続いている可能性が高いです。
  • 10ヶ月以内に遺産分割がまとまらなければ、特例を適用できずに高額な相続税を一旦納付する必要が生じます。

納税資金確保のための売却が不可能になる

相続税の納税資金を確保するために不動産の売却を検討する場合、名義が亡くなった方のままだと売却手続きに進むことができません。放置している間に売却市場が悪化したり、期限内の納税に間に合わなくなったりするリスクが生じます。

4. 浜松市で相続登記と相続税をワンストップで相談するには

相続登記の義務化は、不動産に関する手続きの専門家である司法書士の分野です。しかし、不動産を動かす際には必ず相続税が絡んできます。

専門家主な役割こんな時に相談
司法書士不動産登記、戸籍収集、遺産分割協議書の作成支援不動産の名義変更、手続き代行
税理士相続税計算、財産評価、節税対策、二次相続対策相続税の申告、税金対策、遺産分割の税務判断

山城会計事務所では、相続税に強い税理士として、相続登記手続きに必要な不動産評価のサポートや、遺産分割案ごとの税負担シミュレーションを行います。また、信頼できる司法書士と密に連携しているため、税金面と手続き面の両方をワンストップで安心して進めることができます。

山城会計事務所の相続サポートの特徴

山城会計事務所は、浜松市で地域の皆様の相続に関するお悩みに寄り添い、安心できる解決策をご提供しています。

1. 初回無料相談で安心のスタート

相続登記の義務化や罰則について不安を感じている方は、初回無料相談をご利用ください。「過去の相続が対象か?」「罰則対象になるか?」など、お客様の状況に合わせて分かりやすくご説明いたします。

2. 不動産評価と節税対策

不動産を相続する際には、正確な評価が不可欠です。当事務所は、複雑な不動産評価に強みを持ち、相続税を最小限に抑えつつ、登記手続きに必要な評価額を適正に算定します。

3. 他士業との連携によるワンストップサポート

相続登記のプロである司法書士と連携し、税務・法務・登記の全プロセスをスムーズにサポートいたします。

まとめ|浜松市で後悔しない相続登記のために

相続登記の義務化は、2024年4月1日からスタートしています。過去の相続も対象となるため、手続きを放置している方は、2027年3月31日という期限までに対応しなければ、10万円以下の過料が科されるリスクがあります。

山城会計事務所は、浜松市の皆様が安心して相続を迎えられるよう、初回無料相談から親身にサポートさせていただきます。相続登記や相続税に関するどんな些細な疑問でも、お気軽にご相談ください。

FAQ

Q1: 相続人申告登記とは何ですか?

A1: 相続登記の義務化の期限を緊急で履行するための簡略化された制度です。遺産分割が未了の場合でも、相続人の一人が「自分が相続人であること」を法務局に申し出ることで、罰則を回避できます。ただし、これは暫定措置であり、遺産分割成立後3年以内に正式な相続登記が必要です。

Q2: 過去の相続の場合、いつまでに登記が必要ですか?

A2: 義務化の施行日(2024年4月1日)より前に発生した相続については、2027年3月31日までに登記申請が必要です。この期限を過ぎると、罰則の対象となる可能性があります。

Q3: 相続登記の義務化は相続税の申告にも影響しますか?

A3: 直接的な手続きではありませんが、大きく影響します。相続登記を放置しているということは、遺産分割が確定していない状態が続く可能性が高く、その場合、相続税の特例(配偶者控除、小規模宅地等の特例など)が使えないという税務上の大きなデメリットが生じます。

Q4: 登記を司法書士に依頼するとして、税理士は必要ですか?

A4: 相続税がかかる場合や、相続税の申告が必要な特例を適用する場合は、税理士が必須です。 司法書士は登記のプロですが、相続税の計算や節税対策、財産評価は税理士の独占業務です。両方の専門家が連携することで、手続きと税金の両面で最適な解決が得られます。

監修者紹介

山城 賢佑(やましろ けんすけ)

補助税理士|東海税理士会 東支部 登録番号:140461

クラウド会計・IT活用を通じて中小企業の業績向上を支援。相続・事業承継・税務コンサルティングに強みを持ち、上場コンサル会社での現場経験を活かし“頼れる参謀役”として経営全体を支援。